登録不要で使える、エンディングノートのWebサービス

エンディングノートをWebで作れるサービスは増えましたが、「無料」と書かれていても会員登録が必要なものがほとんどです。ここでは、登録なしでブラウザだけで作る方法と、選ぶときに確認しておきたい点を整理します。

「無料」と「登録不要」は、同じ意味ではありません

エンディングノートのアプリやWebサービスを探すと、多くが「無料」と案内されています。ただし、その多くは利用開始時にアカウント登録が必要です。メールアドレスや電話番号を登録し、書いた内容は提供元のサーバーに保存されます。

これは悪いことではありません。複数の端末で使えたり、機種変更しても内容が残ったりする利点があります。一方で、口座やサービスの一覧といった情報を、どこかの会社に預けることにもなります。ここに慎重になりたい方にとっては、登録が必要なこと自体が始めにくさになります。

エンディングノートの作り方は、大きく3つ

作り方によって、書いた内容がどこに置かれるかが変わります。

作り方会員登録内容が置かれる場所向いている人
紙・PDFに書く不要手元の紙やファイル手書きが苦にならない人
アプリ・クラウド型必要なことが多い提供元のサーバー複数端末で続けたい人
ブラウザ完結型不要なものがある自分の端末の中すぐ試したい人、内容を預けたくない人

紙のエンディングノートは自治体などが無料で配布していることもあり、手に入れやすい方法です。ただし多くの様式は、加入している保険や葬儀の希望を書く欄が中心で、サブスク契約やネット銀行など、デジタルの持ち物を書く欄が少ないという弱点があります。

ブラウザだけで作る、という選び方

3つ目の「ブラウザ完結型」は、Webページを開くとその場で書き始められ、書いた内容は自分の端末の中に保存される方式です。サーバーへ送らない作りにすれば、会員登録もログインも必要ありません。

この方式には、次のような性質があります。

  • ページを開いてすぐ書き始められる。試してみて合わなければ、何も残さずやめられる
  • アカウントがないため、パスワードの使い回しや退会手続きを考えなくてよい
  • 反対に、端末のブラウザデータを消すと内容も消える。バックアップファイルを自分で保管しておく必要がある
  • 複数の端末で同じ内容を見たい場合は、ファイルを移して読み込む手間がかかる

つまり「預けない代わりに、自分で保管する」方式です。手間はありますが、どこに何があるかが自分で分かる状態になります。

選ぶときに確認しておきたい4つのこと

1. 書いた内容はどこに保存されるか

提供元のサーバーに保存されるのか、自分の端末だけに保存されるのか。プライバシーポリシーに書かれています。

2. 会員登録や退会の扱い

登録が必要な場合、やめたくなったときにデータをどう削除できるかも確認しておくと安心です。

3. 書いた内容を持ち出せるか

サービスが終了しても内容を使い続けられるよう、PDFやファイルとして書き出せるかを確認します。書き出せない形式だけで保存されていると、そのサービスがなくなったときに内容ごと使えなくなります。

4. パスワードを入力させる作りになっていないか

エンディングノートに各サービスのパスワードそのものを書き込む欄があるものは、書いた紙やファイルを見つけた人が誰でも使えてしまいます。詳しくはエンディングノートにパスワードは書いていい?で説明しています。

デジタル引継書の場合

このサイトで提供しているデジタル引継書は、3つ目のブラウザ完結型にあたります。デジタルの持ち物に絞ったWebサービスで、次のような作りになっています。

  • 会員登録もログインも不要。ページを開いた時点から書き始められる
  • 入力した内容はブラウザの中で暗号化してから端末に保存し、運営者のサーバーへ送信しません(暗号化=決めた合言葉がないと読めない形に変換すること)
  • 各サービスのパスワードそのものを書く欄はありません。記録するのは保管場所だけです
  • 引き継ぐ人に渡すPDFと、あとから編集を再開するための暗号化バックアップファイルを書き出せます

一方で、端末のブラウザデータを消すと内容も消えます。書き出したバックアップファイルを別の場所に保管してください。

よくある質問

エンディングノートに法的な効力はありますか?

ありません。エンディングノートは希望を書き残すもので、遺言書とは別のものです。財産の分け方を決めたい場合は、公正証書遺言など正式な方法をご検討ください。

途中でやめても大丈夫ですか?

大丈夫です。全部を思い出して書き切る必要はありません。よく使うものから数件書くだけでも、引き継ぐ人にとっては手がかりになります。

紙のエンディングノートと併用できますか?

できます。葬儀や保険の希望は自治体などの紙の様式に、デジタルの持ち物はWebサービスに、と分ける使い方もあります。その場合は、両方の保管場所を引き継ぐ人に伝えておいてください。

デジタルの持ち物を整理してみる

デジタル引継書は、使っているサービスや機器と「どうしてほしいか」を書き残せる無料のWebサービスです。会員登録もログインも不要で、書いた内容は端末の中だけで暗号化して保存します。

準備をはじめる

この記事とデジタル引継書は、希望を書き残すことを助けるものです。遺言書ではなく、法律・税金・相続上の効力はありません。実際の手続きは各サービスや専門窓口の公式な案内をご確認ください。